2011年06月01日

「芸劇eyes番外編の稽古は既に始まっている」/社長

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さて、稽古は既に始まっています。芸劇eyes番外編参加作品『私たちの考えた移動の出来なさ』の稽古です。

4月に公演を終えて、六月末に公演を打てるという非常に恵まれた公演機会を得て、ありがてぇありがてぇと言いながら稽古場を楽しんでおるのです。

 俳優は、いずれもジエン社のレギュラーぞろい。そして初回から三回目までがっつり出ていたたいた片さんがひっさびさの参戦である。

 今回の脚本はもう出来たのだが、せっかく短編を作るというので、普段とは違う書き方と試みをしている。
 前回でやった「無駄に同時進行を三箇所でしてみる」遣り方が、稽古してことのほか楽しかったので、もう最初から三箇所で同時進行されるような、そんな構成にした。
 前回は書き方的に最初から合わせるポイントをぼんやり決めながらかいていたけれど、今回は三つの短編を独立させて書き、稽古場で無理やりチューニングする、という作戦を取っている。
 これが、とんでもない手間である。
 当たり前だが、脚本の時点で計算していないので、そのままやってみるとただの煩い騒音なのであって、役者たちとうんうん唸りながら、間を計算したり、立ち位置や、立たせてみたい言葉などをセレクトしたり、削ったり移動したりと、とにかく手探りである。
 たって1分のシーンの演出に、何日かかっていることか。作るのは20分の短編であるわけだ。
 そんなわけで、「テキスト」はできているけど、最後まで通せていない、という不思議な形態のなか、稽古は進行しているのである。
 いやあしかし、楽しい稽古場だ。頭はフル回転。なによりも、「何か新しいものが立ち上がるんじゃないか」というワクワク感があるのですよ。

 そんなわけで、五劇団の中でもっとも地味な劇団である我々も、のっそりと、動き出しているのです。チケットの売り上げがかなりよいらしく、なかなか残席がないようですが、当日券は毎日出るらしいので、ぜひとも駆けつけていただければと思う次第です。
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2011年04月28日

『スーサイドエルフ/インフレ世界』は一ヶ月ほど前に終了していました。/社長

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 ここでのご挨拶が遅れましたが、ジエン社第六回公演『スーサイドエルフ/インフレ世界』は終了いたしました。
 一緒に戦っていただいたスタッフ、俳優、そして観客の皆さんに改めてありがとうございました。
 ツイッター割引のせいもあってか、たくさんのご意見ご感想をいただいております。また、小劇場レビューサイト『ワンダーランド』のクロスレビューにも取り上げていただき、これまたすごい意見をいただいております。ありがたいことです。感謝感謝です。

 主宰として、なかなか振り返るのに時間がかかりました。この公演。ようやく、いろんなことを忘れてきたので、思い出すにはちょうどよいと思っていままとめをしてみようと思っている次第です。とはいえ、脳はすっかり次回の公演――芸劇eyes番外編参加公演の『私たちの考えた移動の出来なさ』にむけてシフトしております。今回は、そのための思考もかねて、ぼんやりと振り返っていこうと思っています。

 この公演のテーマなんちゃららは、多岐に渡っています。ざっとした柱だけでも「アートと経済」「優しいとは何か」「からだを使ってお金を交換するという事」「交換そのもの」「交換可能なわたしと”作品”」「権力にどうはむかうか/歯向かわないか/無いことにするか/感じているのに」「”しにたい”とは何か」「あふれすぎて価値を失う事(インフレーション)」とか、切り取ろうと思えばどんな風にも切り取れる。これはどういう作戦かというと、「テーマを沢山設ければ、一つ一つがインフレしてテーマなんてどうでもよくなるんじゃないか?」という作戦です。的を、絞らせない。

 もともとは、「円高やばいなあ」という話を書こうと思っていたのでした。地味に円が、今80円台になっている。これが、僕にはよく分からなかった。というのも、昔財務省のトップだった塩ジイこと塩川元財務大臣という人が、記者から「円高がこれ以上すすむとどうなりますか?」という質問に「神サンにでも聞いてください」とスッとぼけた答弁をぼんやり覚えていて、マスコミの論調も「これ以上この政府に任せてたら日本は円高でおしまいだ」という感じになっていた。
 でも、おしまいではなかった。だらだらと、円高は続くし、人生も続く。
 公演後に、「円高になるという事はデフレになるのであって、インフレではないのではないか?」という質問があったが、僕がなんとなく思ったのは、その後に来る「デフレ対策」――たとえば、紙幣の大量印刷や、高額紙幣の発行である。このあと訪れる「インフレ世界」の入り口――や、もう入っているのかもしれないけど、それをイメージしたのです。
 今、ここに持っている「いちまんえん札」が、一万円の価値を、失う世界。
 今、ここにあるとされる、確からしい若い体が、一秒ごとに価値を失う世界。
 27歳の私は今のところ「若手脚本家」という称号を、ギリギリでまだ呼ばれてたりするんだけれど、この若いからだの価値が、ともすると、一秒ごとに価値を失っているんじゃないか、そんな発想をしていくと、『援助交際』の話……最近では『雇い/雇われ』という言葉になっていますが、そこに行きつきました。
「お金以外の交換で、若い女の体を抱けるとしたら、それは何か?」

 そう考えていくと、今度は「付き合うなら優しい人」という常套句に行き着く。
「やさしくする/やさしくされたい」は、交換可能か?

 アメリカのとある州に流通している地域通貨がある。それは『イサカアワー』と呼ばれる不思議な通貨だ(主人公のイサカ君の名前はここからとった)。『イサカアワー』は、『アワー』というとおり、一時間をあらわす。人に一時間、『親切』にする(主に老人の話し相手、買い物代行、芝刈り、パソコンの使い方指導など)と、イサカアワーを発行している事務所から「1イサカアワー」を貰うことができる。この「1イサカアワー」を使う事によって、誰かから一時間「親切にされる」という事らしい。
これが、どうもうまく行っているようだと、私が読んだ資料にはそう書いてあった。今はどうなっているのか分からないが、社会で『親切』を交換し合う試みが既になされていた。
 これは、可能なのかどうか。
 その資料には、既存の通貨制度や貧困、財産の不公平な配分に対抗するために「地域通貨」の時代が来るのではないか、という希望が書いてあった。

 登場人物に、「ユウコ」と「レイジ」という二人が登場するが、これは第三回公演で名前だけ出てきた人物。第三回公演『ゴーストニートペアレント』は、不治の病に冒され、寿命があと数日といわれながら、三年生きてしまった人が、やはり病気なので何もせずベッドに居る、という話。セカチューに対抗して、不治の病だけど、死なない話を書こうとしたのだけれど、そのヒロインの女の子の両親の名前で、ちらっと出てくるのがこの二人だ。
「まひるちゃんの両親って、ユウコとレイジって言うんだって。二人合わせて、ユウレイっていう」
 ただそれだけの人物設定なのだけど、どうも雑だなあと思って、今回人物を描いてみた。第三回公演時、この二人は育児や看病をあきらめて、どこにもいない事になっている。あのシーンのラスト、二人はどこかへいってしまうのだけれども、どう演出つけたのか忘れてしまった。相変わらず雑な感じだ。
 ただ、あの場から離れて、あの二人は、何も出来ないのではないだろうか、とは思う。それでも、生々しい生活は、あるのだろうなあ。どんなにゆうれいに見えても、そこに、体があった以上。ソレ以上書いたり、踏み込んだりするのには、まだ僕の技量が足りない。

 演技と演出面について。
 今回は、リアルっぽいもの追おうとするのは、もうやめようかなあと思って、今回行き着いたのが、こんな感じでした。演劇は、いろんなことがやれる。当たり前の事に気づかされたという感じです。照明や、音響だって、もっと使えるのではないか。俳優の体も、もっとおかしなことが出来るのではないか。
この辺りが次への課題になると思います。まだまだ、やれることはある。

 長い割りに、相変わらず何を言っているのかよく分かりませんし、振り返りも浅いものですが、ひとまずココまで。
 次回の本公演は年をまたいでしまうかもしれません。
 どうか、気長にお待ちいただけますよう。
 そして水天宮ピットでの芸劇eyes番外編も、どうぞよろしくお願いします。

 では、また。
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2011年04月03日

「助手という仕事」/本介さん

さて、この記事は最終日の朝に書いている。
いよいよ『スーサイドエルフ/インフレ世界』の舞台も本日で終了してしまう。
みなさんのおかげで、ここまできました。本当に感謝しています。

終了の前に、書いておかなければ/紹介しておかなければならないことがある。

役者紹介リレーの最後に、僕から紹介すべき二人を書かねばな。

演出助手の藤村和樹と、吉田麻美のことだ。

今回はこの二人にすさまじく助けられた、というより、今まで演出助手をつかないで公演していたので、大混乱の乱だったのだ。

それが、この二人の活躍により、すべてが進む。すいすい進む。すさまじい勢いだ。
今回の公演の成功は、二人のおかげといっても過言ではない。絶対にそうだ。

ちなみに、お芝居な業界に居ない人のために説明すると、『演出助手』とは、文字通り「演出の補佐」。その仕事の種類は現場によってまちまちではあるけれど、ジエン社の場合、演出の本介さんは、事務的な手続きが壊滅的に出来ない。
 具体的に言うと、日程調整ができないし、今日の稽古に誰が来るのかを把握できない。どのシーンをやれるのかもわからないし、どの小道具が足りててどの小道具が足りてないのか、図面が上がったところで、稽古場でどう本物の舞台の設備があるのかどうかしるしをつける(いわいるバミるという行為である)ことができない、稽古場の手続きが出来ない、そもそも、稽古場がどこにあるのかわからない、稽古場に行く道を迷う、自己の存在に悩む、服が毎回同じ、顔が汚い、靴下が穴あきだ、とか、まあ、そういうていたらくである。

 それを、靴下や顔の悩み以外のすべてをカバーするのが、吉田と藤村だ。

 まずは、藤村だ。
 彼は第四回公演に俳優として出演してもらった。てあとろ50'という、早稲田の若い演劇サークルの新人のときに「なんか知らないが何かが出来そうだ」と思ってキャスティングしたのだが、「不器用すぎる」という欠点を稽古場で発見した俳優だ。仕事も、不器用だ。生きることも、不器用だ。
 だけど今回、企画がスタートする直前に「え、えんしゅつ助手をやらせてくださぃ」という、日本語にならない発話で声をかけてくれたので、よしっと思いカレーをおごった覚えがある。
 「その代わり少し出してください」ともそのあと発話していたらしいのだが、どうもその辺はしたたかよのうと苦笑いをした覚えもある。で、事実彼は少し出る。普段は僕がチョイ役で出る役どころに、彼は出る。

 彼の仕事は、基本的に稽古場内でのこまごまとした雑務担当だ。集合時間より早く来て稽古場の受付をしたり、代役で入ったり、稽古場バミりをしたり、ご飯休憩をとらない僕の代わりにやきそばパンを買ってくれたりする、そういう仕事だ。
 そしてそのすべてを、不器用と、しかし「何かやらねば」という呆然としたオーラで、がりがり、やる。
 しかしあまりに不器用なため、「がりがり」という効果音的オーラを発して、結果的に何もしない、という事も多々あった。しかし、今では稽古場の誰よりもバミりは完璧である。ピンポイントで小道具を持ってきて、ドヤ顔をすることもある。いやあ、あれはすさまじいドヤ顔だった。額に切り取って飾っておきたいほどの「ドヤ」だった。かしわ手を打ったね。

 で、彼は本番中も、舞台監督の桜井君とともに、映像の照射助手や、ラストにちらっと出る役(が、かなり重要な役)をやっている。彼にもかなりの量の演出をつけた。具体的に言えば「2011年の『権力』の現在というものを、その体で表現するのだ、ワタミのバイトみたいに! 東電の社員みたいに!」とかいった覚えがある。
 藤村は、ぽかんとしていた。
 そんなやつです。
 彼は今「フミツケペッタン」なるユニットを作って、今年の秋口に公演をうとうとしている。僕は彼にギャラを払えない代わりに、彼の公演に手伝えることがあったらいろいろ手伝う、という約束をした。とりあえず、彼には僕にしてくれたように、焼きそばパンを買ったり、バミりをしたり、稽古場の予約くらいしてやろうと思う。
 俳優としても、変な体をしているヤツです。若いです。本当にお世話になった。『筆記具を忘れるほうの演出助手』、藤村だ。

 で、もう一人の『優秀なほう』の演出助手、吉田だ。
 吉田には本当に助けられた。僕にはまるで出来ないことのすべてを担当してくれた。藤村が、稽古場の内部の担当なら、吉田は稽古場の周辺を担当したという役割分担だ。
 たとえば、稽古日程を表にする、遅刻連絡者の中継、だれがどのシーンに居るのか、とかのすべてのまとめ。小道具のチェックやリスト化、その他、細かいところのすべてを、すべてを、吉田はやる。
 一番の功績といえば、稽古場の全ユースリーム化を担当してくれたことだろう。これは、我ながらよく分からないがすごいなと思う。稽古場を、全日程、すべて動画として中継し、しかも録画してあるので形に残す。これってかなり重要な仕事だったんじゃないか。

 ちょっと吉田からは脱線するが、この全ユーストリーム動画の録画は、たしかに視聴数も少ないし、画質も決してよかったとはいえない。ただし、「毎日稽古が記録してあって、しかもそれをいつでも閲覧できる状態にした」というのは、小さく革命的ではなかったかと思っている。これは、この公演には直接は役に立たないだろうけれど、いつかこれが重大な資料になる気はするのだ。もちろん、カメラの画格や、その質の問題など、問題にすべきことは多い。ただし、ひとつの集団が作品にするまでの稽古場の全貌を、この規模の劇団が動画記録したというのは、画期的なことではないかと僕は少しおもって居る。
 それを、吉田はやった。

 吉田は、ジエン社の旗揚げから劇を見てくれている。吉田のファイルには過去作品の当日パンフレットや、僕自身ですら紛失している資料なども大切に保管してくれている。
 なんだかもう、あれだな、こういう人に、僕は芝居を見られていたのか、と思うと、芝居をやってよかったなあと思うのだ。同時に、震える。緊張でだ。

 僕が吉田に払える対価は何だろうと考える。吉田は四月一日から、社会人になった。
 今後吉田は、仕事として、演劇や公演の、財政や助成にかかわる仕事をするらしい。昨夜、僕は吉田に、ジエン社でかかる費用のすべてを、事細かに話した。そして
この規模の小劇場というものが、どれだけの財務で運営されているか、あるいは、何を欲しているか。
 そんなくらいしか対価が払えなくて申し訳なく思うが、僕が体で得てきた「表現と金銭の現実」の情報を、本当に時間がわずかであったが、伝えたつもりだ。
 
 それにしても、吉田の情熱は何によるものなのだろう。たしかに僕も表現を、なんでこんな情熱をかけてやるのか、と問われることはある。僕はだいたい「別に情熱ってほどでもなあー」と呆然としたりぼんやりしたりするんだけれども、吉田の仕事のそれは、情熱としか言いようがない。仕事の端々から、それは伝わる。
 助手は、クリエイティブに直接関係がない仕事だといわれるが、とんでもない話だ。
 彼らの仕事は、ダイレクトに創作に反映される。いい仕事には、いい舞台表現には、その裏には、小道具のひとつひとつには、表方に名前の載らない、情熱的な助手やスタッフの情念がある。

 ちなみに僕にも、演出助手経験がある。あの「事務仕事がまるで出来ない」ジエン社社長が、無謀にも大きな劇場でやる公演の演出助手をやったことがあるのだ。
 そこでも、僕は確かに、念みたいなものはこめた。
 小道具の枕を、意味がないかもしれないけど、少しでもふかふかにしようと天日干ししたり、小道具の本のブックカバーを毎日取り替えたり、地味で誰も見ないだろうなという事を、それでも、すこしでも、できることを、と、必死になってやった覚えがある。

 僕は、この二人の仕事を、忘れないだろう。実際、知っている。この公演は、確実に彼らとともにあったのだった。

 さてさて、長い文になり、さらにいろいろ脱線してはいるが、本日は最終日である。
 当日券もあります。あんまり表立っていってないですが、リピーター割引もあります。
 さらに当日は、助手吉田が尽力を尽くした、過去脚本戯曲の販売もあるのです(ここでも吉田はすさまじい仕事ぶりを発揮した!! 本当は戯曲販売に手間がかかることを恐れた主宰は消極的だったのだが、製本の手続きのすべてを担い販売にこぎつけたのだ!!)。
 ぜひともご来場いただき、われわれの戦いに参加してほしく思います。
 よろしくお願いします。

 主宰・作者本介
 

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2011年03月18日

「社長は社長でございって顔する」/社長

 どうも社長です。

 震災以後、大変なことになっていたりする中で、我々はありがたく、しかし多少神経質になりながら稽古を続けている日々です。

 その思いは、考えうる出来るだけかっこいい言葉を使ってとりあえずHP(http://elegirl.net/jiensha/main/archives/112)にもしたためましたが、今は、自分らの演劇が「悪」であるだろう事も思いながら、「でもやります」、というところです。

 そう、こんな時期にもかかわらず、HPのトップページでは、恰好をつけました。ああいう文章を考える時、やはり「かっこうよさ」を狙ってしまう、気恥かしさや、申し訳なさがあります。

 とはいえ、だからと言って、じやあ事務的な言葉を描けばいいのかというとそれも違う、届かない、どころか、「何か批判的な物をかわすための、とりあえずの生贄かよ、言葉は」とか思ってしまったりする。
 こういう時にベストな言葉は何があるのだろうか、というのは、本当に悩みます。

 とまあ、このブログでは、『ツイッターよりもかしこばるが、HPよりは柔らかな文章』をつづり、今ジエン社という劇団では何を考え、どんな思いで物を作っているのかを、書いて行く場にすればよいのだろうなあと思っています。

 引き続き、公演参加者によるチェーン役者紹介やら、ダイエットに励む日記や美味しいご飯を紹介するもよし、「水だけでお腹を膨らます方法」や、「空想の力でパンを生み出す術」とかがあったら、是非掲載していただきたい。とりあえず主宰は、今市井に食パンが売られていないため、飢餓の恐怖におびえています。パン、バナナ、牛乳がないと、どうにも落ち着かないのです。

・・・・・・・・

 さて、震災後の「不謹慎」や「演劇をやってよいのか問題」について、あまり恰好のよくない言葉で、もう少し考えてみたい。

 私達は残念ながら「芝居をしなければ死ぬ」と言うほど、生活力や生命力がないわけではなく、油断すれば器用に生きれてしまう。「じゃあしなくてもいいじゃん」という声なき声が、稽古場に向かう自転車の背中やお腹に、すんすんと入ってきたりしていて、つくづく「悪」でいる事は大変だなあ、と思ったりします。

 私達は、たしかにある何かを信じて演劇や表現をやろうとしていますが、その信じるものと言うのは、結構簡単に論破されてしまう物でしょうし、そんなもの大事にするよりもっと大切な物があるぞばかやろう、という罵声で、一気に崩れてしまう種類の、いわば迷信のような感じです。

 ふと、トマスアクイナス、という人の事を思い出しました。僕も詳しく読んだ事は無く、保坂和志さんの評論などで引用されているのを数度見かけただけなんだけれども、トマスの奴は、聖書を、あるいはキリスト教というものを、すごく真剣に考える……ただ、宗教というやつは、どこかぶっ飛んでいて、とてもマトモに解釈しようとすると、矛盾やおかしな所が満載だったりする。近代的な解釈では、どうしても不合理な箇所も多くなってしまう。

 でも、トマスは「でも信じます」という態度で、これらと戦う。丹念に聖書を読めば読むほど、丹念に神を信じれば信じるほど、無理があって、「でも、信じる」。

 盲信とか、思考放棄とか、そう言うんじゃないのは、その本の分厚さや、その告白のすさまじさを読めば、分かるような気がする……といって、ちゃんと僕は読んでいないのだけれど。

 僕らの演劇も、そのようになすことはできないだろうか。

 冷静に突きつめれば突きつめるほど、僕らの今やっている事は、電力をくい、間接的には被災地へダメージを与えている。
 今こうして居る間にも、確実に他者を苦しめている。僕たちの活動は、誰かの迷惑だ。もっといえば、私の存在は、誰かの迷惑である。

 そのことに、僕らは、自覚的でもある。自覚的な割に、鈍感でもある。鈍感だからこそ、今日も稽古が出来た。口では、かっこうをつけて、被災地の方の事を思ったり、演劇の正しさを言える。その一方で、良心として、被災地の事を思いめぐらすだけの想像力はありながら、あえて鈍感になって、都合よく解釈して、演劇をやる根拠としている。

 悪ではないか。
 悪であるよ。
 私は、悪に違いない。
 社長であり、公演責任者の私は、悪の親玉であろう。
 証拠に、私は稽古場でよく笑う。ニヤニヤ笑う。笑うのは、悪の親玉によくある話だ。
 
 トマスは、地獄に落ちてもいいのであなた(神)を信じます、的な事をなんか言ってたような気がした、たしか。

 私達は「悪」であり「不謹慎」である事を、自覚しながら、それでも演劇をなす。
 
 僕がトマスを「なんかすげえな」と思ったのは、なんだろうな、やはり「狂っているなあ」と、その引用箇所を読んだ時正直そう思った。普段からこんな事、ずーっと考えているのか、すごいな、と。

 分厚い感じがするのです。分厚い、こう、分厚い。分厚さに、人は、「じゃあしょうがねぇや」と思うことだろう。あ、その「しょうがない」こそ、僕が普段から言っている「仕方がない」なのかもしれないと、書いているうちに思ったりした。

 何の話をしていたんだったけ。
 
 話題を変えます。

 私たちは結構早い段階で「東京が大震災に遭ってガレキに埋まろうとも、演劇を続けられるような体力や哲学を持ちたいものだのう」といった内容の事は結構前から言っており、F/T11の公募プログラムの書類にも、今後の劇団の見通しでそういう事を少し書きました。(詳しくは→→http://www.lightbluesky.net/uploader/src/2564.pdf)ただ、その時考えに及ばなかったのは、「災害や世界の不条理で、自分が被害者になる事ばかり考えて、他人が被害者になる事は考えてなかった」という事、もっといえば「自分が被害者になると言う事は、観客もまた、被害者になっている可能性もあると言う事」だったなあと、今思うとそう思う。

「自分が被害者になっても演劇をやるぞー!」というのは、チト幼稚で能天気だったなと、あのころの私に戻って私に言いたい。セブン上司のように枕元に立って「キミキミ、演劇は観客と言う物が居ないと成り立たないのだぞ」という言葉をかけてやりたい。あの頃の私は、観客よりも、自分の作品性とか作家性とか、そのへんの俺俺だったのだろう。俺俺の、オレまみれだったのだろう。他人もすべて、オレになって、無数の俺俺達が、増殖し、気づまりになり、殺し合いになり、殺到したりするっていう……星野智幸さんの小説『俺俺』な状態だったのかもしれない。

 観客がいる。それは他人なのだ。他人のつらさが、想像できない分、僕は怖い。僕のつらさは、分かっているから、どうでもよい。ただ他人のつらさは、計れない。だから、怖い。

 今回、「観客の安全」というものを、すごく突きつけられた。苦しんで、考えた結論は、「ジエン社のお芝居は、ディズニーランドのくるお客様とは違い、自分の判断で何かをつかみ取っていく観客の皆さまなのだ。だから、安全というものを100%を僕は背負わず、99.95%だけ背負えばいいのだ!」という事だった。

 今、お芝居を見ると言うリスクを、観客のせいにしてしまう作戦である。

 それだけで大分楽になった一方、それって、例えばジエン社に百万人お客さんが入ったとして、500人は目の前で死に行くお客さんを見捨てるって事なんだろうか。

 それに、もっと言えば僕は今お客さんに「自己責任」を背負わせようとしているのではないか。

 一時期「自己責任」という言葉がにぎやかに流行した事があった。今回のお芝居でも、「自己責任」という言葉は、否定的なニュアンス(本当はそんなニュアンスではないけど)で俳優に言わせている。

 それは、そうだろう、と思う一方、いや、本当にそれは、どうなんだろうか、という所でもある。実際に今回は余震もまだ続いているし、観客席でお客さんが生き埋めになる可能性は、0.005%くらいはありそうだ。
 そうでなくても、停電のためお客さんが日暮里から帰れなくなるということだって予測できる。観客の方に迷惑を被らせてしまう事だって考えられるのだ。

 これらについて、僕は「観客の自己責任でいいじゃん」という、悪の考え、悪の思考で乗り切ろうとしている――これは恐ろしい事だ。私は人の命を軽んじる、最低最悪の――魔王だ。

 だけど、しかし、それでも、僕は演劇をすると思います。
 今、稽古場で作っているものは、「でもやります」に相応しい、分厚さになって、いるならば。
 分厚さ……自分で言うと、薄っぺらくなる感じがしますが……
 否定的に見る方でも、充分な「分厚さ」になるべく、とにかく、しかたなくさせるべく、やっています。心がけています。

 演出も、だから、分厚くなくては。しかたないって思わせなければ。圧倒的な何か、でなければ。

 長くなりました。もっとライトな文を書いて、このブログにもっといろいろ書きやすい環境にせよ、という演出助手からのお達しにもかかわらず、こう、文が、重いとね、「やっぱ非常時だから気を遣っているんだなあ」と思われてしまう。
 や、そんなこんなで、まあこのブログには相変わらず俳優たちのこまごまとした記事が載ると思いますが、だから、なんだ、僕たちは、あの、だからあれです

 ああ、もっと気楽な事を書けばよかったと思ったが、後の祭り、目の前の日常である。演出席に置いてあったのど飴をパクパク食べていたら、演出助手の吉田に「それは俳優さんの分なのですが……」とたしなめられたこととか、演出席に置いてあったクラッカーに手を伸ばそうとしたら、すっと吉田に遠ざけられた、とか、そういう事を書けばよかった。

 だから、ああ、なんだ、あーあーあー

 
 今後もどうぞよろしくお願いしますという、そういう事が言いたいのです。

 
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2010年06月09日

ジエン社第5回公演は終了いたしました

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 多くのお客様に見ていただき、本当に感謝しております。
 次回公演は未定ですが、来年の冬ごろにできれば、と思います。
 今回の公演で、さらにいろいろな問題点や、野心や、演劇について、さらに考えねばならない事、さらに、演出家として、主宰としてのリーダーシップとか、お金の問題、公演の意義、スタイルの確立とその作戦、キャラと演劇機構とそれらの発信する順当に従ってよいのか問題、など、さまだまな疑問、質問、懸念、希望、祈りみたいなものが、雨あられです。

 本当、何かをすると、この有様です。ありがたいことです。

 なにがともあれ、ご協力いただいたみなさま、ご観劇、ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。みなさんとまた一緒に前進できる日を、楽しみにしています。
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2010年05月15日

ジエン社5がスタートしていまして

kusenakisu_omote5.jpgもう、放置しつづけてすみません。ジエン社です。

実はもう、ジエン社その5に向かって動き出してはいるのです。実は。

最近、めっきりツイッターの方ばかりあれしてしまい、ブログの更新を怠りまくっています。
いやはや、困ったものです。が、今回もぼんやりと良い物を作っていこうと、頑張らないよう頑張っています。います。ます。

役者の遅刻、役者の突然の遅刻、あと遅刻や、唐突な心の補完などに苦しめられながら、今回もゆかいな座組みで稽古をすすめています。
ジエン社第5回公演をぜひご期待下さい。

ではでは。
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2010年03月02日

さぼってすみません、ジエン社です

 放置していて申し訳ないです。ジエン社、次に向かって牛歩してます。次は六月。今オファーに追われています。そして断られ続けています・・・。

 最近、ツイッターばかりやっていてブログヘ書き込みが少ないのは、困ったことだと思います。
 本当、こんなんじゃ駄目だ。もっとしっかり生きなければ。

 そして、身近にジエン社に出たい人はいませんでしょうか。
 もしいたら、頭に旗をつけて「ぼくはでたいです」という意思表示をしていただけると
 オファーがスムースに行く気がします。
 どうぞよろしくお願いします。
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2009年10月28日

第四回公演は終了いたしましてありがとう/本介さん

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 というわけで、ジエン社第四回公演は終了いたしました。
 観劇にいらしてくださった皆さん、スタッフのみなさん、本当にありがとう。

 今回は、軽くネットで検索をかけただけでも、これまでにない好評価で驚くとともに、「当然じゃい」と思ってみたり「本当にそうか?」と不安になったり、いろいろです。
 そういえば、岡野さんが「これから一週間は落ち込んだり浮かれたり大変ですよ」と言っていた。最年長の言。含蓄のある言葉です。

 正直、この公演がおわったら、よぼよぼと劇団をたたんでしまおうとか思ってました。僕自身も、地元の埼玉にでも戻って、お湯を沸かしたりお布団をひいたりする生活でもしてやろう、とか思っていました。いろいろと限界だったのですが、今回の思わぬ反応に、浮かれる、というか、もう一度やって「マグレ」と思われないようにしたいなと。ほんの少しだけ、分かったというか、何かが開けた感じがしたのです。

 というわけで、次回作は、確実にあります。何ヶ月先になるか分かりませんが、確実に次回作をやります。そのときまで、どうぞよろしくお願いします。

 また、今回はアンケートでちょっとした試みをやりまして、その分析というか、フィードバックなどもやろうと思います。
 また、ブロガー割引の成果か、本公演について書いてくださったブログ記事がちらほら。中には、そうとうリキを入れてこの公演を分析してくださった記事もあります。
 アフタートークをしないジエン社ですが、代わりに、アフターケアというか、ブログで取り上げてくださった皆さんに、何らかの形で(トラックバックで質問にお答えする?)返信できればなと考えています。

 なにがともあれ、お疲れ様でした。またどうぞよろしくお願いします。
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2009年10月02日

夢か奇跡か幻か霞のように寝てないの/本介さん

 DSCN1932.JPG萱のダイエット日記と化しているこのブログですが、間違いなくここは、ジエン社の社内報こと、稽古場日記のはずです。悔しいから今度から稽古場に大量の菓子を持っていくってのはどうだろう。稽古場を、お菓子の家にするってのはどうだろう。香ばしいお餅でできたマスコットキャラクターが演出助手をやるってのはどうだろう。
「モチくんだよ!」
 脚本がでんぷんまみれになるな。

 すっかり挨拶がおくれてすみませんでした。あらためて、ジエン社主宰で社長の本介さんです。第四回公演もよろしくお願いします。

 と、いいながら、いいかげん、このペンネーム(作者本介)は、いかがなものだろうかという気がしてきた。四柱推命的にもよくないらしい。だいたい、凝ったペンネームの人の主宰する劇団って、悲しい感じがする。『大恐竜☆長次郎』とか、『やわらかサンフラワー吉田』とか、『TMレボリューション・エボリューションターボタイプD』とか、そんな名前の主宰がいたら、俺本気でその劇団を滅ぼしに行くと思う。火炎瓶程度なら簡単に作れるそうですし。

 というわけで、劇中登場人物の名前も、考えたりします。よく。
 ただ、たとえば「鈴木」とか「田中」というのを劇中のキャラクターに、ちょっとつけにくいな、というのは、結構田中鈴木とか、そういう人は身近に居て。
 たとえば絶世の美人役に「田中」とか名づけたりすると、もし知り合いに力士になった「田中」が居たとしたら、そしてその人物がその人の人生にものすごく影響を与えた人物だったりしたら、劇中の「田中」をまともに見れないんじゃないかという恐れがあったりするのだった。
 だって、力士と美少女だよ。ロリ系美少女だよ。100キロを超えたロリ系のまわしをつかんでうっちゃりだよ。こういうの、現実とフィクションの区別がつかなくなった人、って言うんじゃないだろうか。

 だからキャラクターの名前をつけるときは、日本の苗字ランキングベスト20から外れるような名前にしてます。
 だからといって、突飛な名前もどうかと思う。よく、ありがちじゃないか、中学生がつける、ファンタジーな名前。たとえば、「出州虎雷王(ですとら・でんおう)」さんとか、「飛竜田・満チル事ノ亡キ風(ひりゅうだ・みちることのなきかぜ)」さんとか、「純夏宮院・ローゼンハルム・雪魔呂(じゅんかぐういんろーぜんはるむゆきまろ)枢機卿」とか。こういう名前をつける劇作家は、彼らが実生活で困るだろうなあって事を考えてないんじゃないかって思ったりするんですよ。

 彼らだって、市役所に住居届けの書類を書きにいったりする事だってあるんだろう。そのとき「ローゼンなんちゃら」なんて名前だったら、とっても恥ずかしい思いをそのキャラクターにさせてしまうなあとか思ってしまう。

 だいたい戯曲でキャラクター名をつけるとき「男1」「女3」と書くこともできるし、また出る俳優が決まっているなら、いっそ脚本に出る俳優の名前や愛称で脚本を書くことだってあるだろう。

 何がいいたいかというと、なにか、凝った名前はやはり嫌だな、という事だったり。そんなところにやる気を出さなくっていじゃないか。

 僕がしばしば言う「やる気がない」とは、きっとこういう事をしないという事なのかもしれないなあと思った。こう言えば、なんとなくイメージがつかめるんじゃないか。

 や、しかしあれだな、なんで僕は、キャラクターに名前をつけるんだろうな。キャラクターに名前なんて、つけていいんだろうか。そもそも、キャラクターに名前をつけるほどの僕なのだろうか。そもそも、戯曲にとって登場人物とは何なのだ。

 あ、また眠れなくなってしまう。これから稽古だってのに。昨日も公演へのプレッシャーで一睡もできなかったのに。や、30分は寝ましたけどね。

 そんなわけで、またひとつ、よろしくおねがいします。
 写真は、稽古場が取れなくて途方にくれたときの皆さんです。その節はすまんかったです。
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2009年02月24日

ジエン社第三回公演終了の報告とバブル後最安値/本介さん

 ジエン社第三回公演『ゴーストニートペアレント』は終了しました。前回までのように詳細にブログに報告する事ができず申し訳なかったです。
 なかなかに、なぜか、余裕ってもんが無かった。初回公演ですら、あんなにいろいろ記事をアップできていたのに。毎日何かしらで忙しく、睡眠もろくにとってなかったなあ、公演中。
 そんなわけで、公演にかかわってくださって皆様、スタッフ、役者、その他いろいろなものに感謝です。ありがとうございました。

 主宰の特権について、ひとつ気がついた事がある。それは、「主宰は誰よりも多くの回数『ありがとうございました』を言う機会に恵まれている」という事だ。たくさんの人にに、ほとんど無償で働いてもらった。スタッフだって、ギャランティと言ってもすずめの涙だ。僕は頭を下げるしかない。そして下げながら、「なぜこんなに見返りが無いのに、やってくれるんだろう」とずっと考えていた。マキャベリの世界観では絶対にありえない光景だ。じゃあ僕の人徳とか人望かともいうと、そんなはずはない。数値にすると僕の能力は統率47 武力51 知力81 政治59 魅力49で特殊能力も無いので、一応軍師に任命しておいて後方都市の太守にしておくってのが普通の使い方だ。

 冗談はよし子として、今回の公演でまた、痛感する事、さらに精進しなければいけないなという事、もっといえば、演劇をする事とか、単純に生活する事(それは「生きる」という事とは少し違う事だ)にも、打ちのめされたりした。また、その結果とかだ。
 別に不出来な作品を作ってしまったとか、そういうんではない。作品の出来には自信をもったものが作れたと思っている。
 ひっかかるのは、そうではない。それは僕の資質や意思や大志にかかわる事かもしれない。もっとも足りなかったのは、僕が主宰者として、というか、集団を率いる長としての、迫力というか、ハッタリというか。とにかく、学者じゃだめなのだな、という事だ。なんというか、大人でなくては、という事を強く感じた。

 大人といえば、今回は自分より年上の大重さんの存在も大きかった。また、大重さんは普段はコントユニットの一員として、常に人を笑わせなければ死んでしまうという職業の人だ。その人に、「笑わせない」という事を演出したのだから、きっとすごく大変だったに違いない。そして、その大変なさなかの間に、スキマ明かりのように光って見えるのが、表現をする年長者としての炎みたいなものだ。
 や、別に大重さんが「大人としてしっかりとした真人間だった」という訳じゃない、てか、こんなにお茶目な大人って、それ、大人かよ、っていうほど、お茶目が全開だった。ただ、時折見せる真摯さとか、懐の広さや、表現に関する危機感は、時に主宰の僕より強く激しいものだった。なんというか、これが、「格好いい年上」なのかもしれない。

 さて、旗揚げから三作やり、「三作で一作」という理屈から行けば、一区切りという感じになる。第一シーズン終了という感じも、自分ではする。ここから、ジエン社は大きく変わるだろうなという気もする。とりあえず来るべき第四回公演は、役者を結構入れ替えるかもしれない(みんなに少しこの事を漏らしたら「派遣切りだ!」と叫ばれた)。
 これからジエン社がどうなるのか、よく分からない。わからないが、次なる公演はある。三月の「15minute made」への参加公演だ。フィフティては、この第一シーズンの総まとめの公演になるだろう。「終わり」は、新しい「始まり」のためにもある。その三月の公演で皆さんの考えていたジエン社は、ひとまず終わります。どうかその終わりも、皆さんにぜひ見に来ていただきたいと思っています。

 どうもありがとうございました。また、よろしくお願いします。
  
 
 
 
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2009年02月18日

なりふりかまわず暴君/本介さん

20090123184902.jpg 

 長いようで短いようで中くらいだったジエン社の稽古が昨日終わり。今日から小屋入りである。これを書いているのは深夜の三時である。眠い。眠いが、仕方が無い。まだ役者紹介が済んでいないようだ。もうあれだな、みな、サボりやがって!
 一応アップゲームの罰ゲームとして、一番うまくいかない人がブログを書くという事になっていたのだが、うむ、そもそも、罰ゲームつてなんだよ。ちくしょうめ。腕立て30回と同じ価値かよう。

 じゃ、ちゃっちゃと役者紹介だ。

 えーと、まず、梅舟。梅舟惟永。20090123184956.jpg
 「ろりえ」という、不謹慎きわまりない劇団所属の21歳組。
 ジエン社の初回公演『無抵抗百貨店屋上遊園地』にも参加してくれたメンバーでもあり、そのときは「フォークを持った人」役としてウォークマンを刺したり、ラストシーンで思い切り手を振ったりしてくれてました。DSCN0786.JPG
 今回また演出をつけているのだけれど、つくづくこいつは動物だなと。演劇動物だなと。直感がとんでもなくいい。感覚的な演技はには、抜群の格好良さと美しさを見せる。
 ただ欠点として、人の言葉を理解しないというか、なんか雰囲気で返事をする場合があり、うまく受け流される事があるから注意が必要なのだった。なんか、犬に話しかけている愛犬家のようだったよ。トップブリーターも推奨かよ俺は。
 また、パッと見うまいので、ミスっても僕が気がつかない事がある。だまされちゃいかんな、と稽古場で油断しないように気をつけてみていたのだった。それっくらい、うまい。
 そうそう、稽古場で、「手」の代役をした時があったのだけれど、うむ、「手」だけ必要なシーンがあって、梅舟に手をやってもらったとき、その異様なうまさ強さスゴさかっこよさに、稽古場の誰もが驚いたという。「手」だけですよ。お前はガラスの仮面の十巻か九巻くらいの月影先生か、って思った。
 事務所にも所属しており、今後おそらく大出世する可能性のある女優だ。今のうちにたくさん恩を売っておこうと思う、てか、もっとたくさん恩を売っとけば良かった。稽古終わったんだなあ……。

 次は、男子二人。シオミと、早崎。
 20090202205925.jpg

 まずは右手、小汚いほうの男シオミダイキ。今回最年少のうちの一人。「贅沢な妥協策」という、きっと贅沢に妥協するような作戦を立てている団体に所属している。
 オーディションに参加してくれて、そいで面白かったから採用した数少ない一人である。
 どうでもいいけどこの人、元野球部らしいのだが、精神的な理由でボールが投げられないそうである。イップスというらしい。で、そのイップスの克服方法が「原因を発見して失敗した場面を直視することから始まる。無意識に身体が拒否反応しているので小さい部分から徐々に成功体験させて自信を体感させる。これには精神的に覚悟や開き直りを求めるもので、失うものがある人にはきついものになる。」
 とのこと。シオミ君にはぜひ頑張っていただきたい。
 や、それでは紹介にならんか。
 シオミ君は今回、もじゃもじゃした頭の男を殴ったり蹴ったりするシーンがあるのだけれど、その殴ったり蹴ったりするシーンが、どうもうまくいかない。というのも、奴は最初トゥーキック(つま先で蹴る)でもじゃ毛を蹴っていたらしいのだ。当然もじゃ毛は全身打撲である。また、容赦なく脊髄、後頭部も打撃するので、当然もじゃ毛は脳震盪とか、記憶喪失とか、そんなんだ。
「俺、力をコントロールできないんですよ」
 だってさ。そういう男です。愚直に、愚直に、演劇を作っていく男です。

 後ろにいるもっと小汚い男は、早崎修司である。マグズサムズという劇団では「ロマンス修司」を名乗っていろいろしているらしいが、どこらへんがロマンスだろうか。風呂に夏から入ってないところだろうか? 新聞配達を毎日欠かさず勤め上げているところだろうか? 風俗に行っても指名はしない、というこだわりを持っているところだろうか?
 社長の本介さんとは、この間の「アイサツ」という劇団で競演。共に10歳児役として舞台を頑張った中だ。10歳児をやるにあたって、早崎はちん毛を切ったという豪のものだ。俺、そこまではできなかった。「舞台のために、ちん毛を切るなんて!」というところに感激し、オファーしたという、そういうあれである。
 で、今回はなんか、すごい役を彼には振った。なんかもう、出だしからすごいと思います。早崎ファンは、びっくりすると思うな。ファンじゃなくても、びっくりすると思うな。
 そんな早崎は稽古場ではとにかく沈黙を保っている。端っこにいて、静かにすごしているのである。ただ、その静けさが、なんだか和む。そして相変わらず風呂に入ってないらしいのに、なぜか体臭がしないから不思議だ。そんな不思議な身体能力をもつ、早崎だ。

 で、あと、もじゃ毛だ。20090107210044.jpg
 この世に「悪」がいるとすれば、こういう顔をした奴の事を言うのではないか。横山翔一、悪い奴だ。
 今回で三回目の参加になる。ジエン社といえば、いいかげん奴が舞台の中盤でへらへらしている、という感じでおなじみになってきた。今回も奴は中盤でへらへらする。
 奴の持ち味は、立ってるだけで邪悪な感じが客席まで伝わる、という特異なオーラを持つところだ。でも、素顔の本人はそんな邪悪さとはうってかわって、カンボジアに食料援助したり、川でおぼれている子供を助けたり、おなかがすいた子供に自分の顔を分けてあげたりとか、なんか、そういう、エピソードでもないと、バランスが取れないんじゃないか、とか思った(もちろんすべて嘘だ)。
 そんな邪悪で、かつ生意気な横山は自らが旗を振り上げ、四月、ほとんどがジエン社キャリアという出演者で演劇公演やるみたいです。お前と悪戯酒『穴姉妹』だそうです。穴……。ぜひ検索をかけてみてあげてください。

 さあ、どうだ! 紹介し終わったぞ! 眠くて疲れているぞ。どうしてくれよう。そして、予約が絶望的に少ないぞ! これは、どうした事か。
 ぜびぜひ見に来ていただきたい!
 ちなみに下記フォームで予約が出来ます。下記フォームで予約すると、社長扱いのチケットになります。もうね、なりふり構ってられないんだ。予約が少なすぎて、このままだと東京に住み続けることすら難しくなってきたんだ俺は。

http://481engine.com/rsrv/webform.php?s=vo0myepht1ak8zxt

 ぜひ、よろしくおねがいします。ていうか、お客さんが来ないと、次のジエン社の本公演が本当に打てない可能性……。
 いや、そんな、しゃれにならん。タロット占いだと、「金貨の10(遺産相続を受ける)」なんだから、だから、だれか、遺産を、ください。よろしくお願いします。
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2009年02月08日

稽古は終盤戦へ/本介さん

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 いよいよ、稽古は終盤戦へ。

 今回演出している実感として、前回や前々回とは違う手ごたえを感じている。いわいる「ジエン社っぽい」演出ってあるんだなあという実感だ。初回や二回目ではあんまり意識しなかったが、あるんだな、ジエン社って、ジエン社よのう、というアレが。まだ三回目のくせに生意気だ、と自分で自分にむずがゆい気持ちだ。

 前々回の演出テーマが「とりあえずやる」、前回のテーマが「修行」を掲げていた。今回の演出テーマはさしずめ「ベタとの闘い」だ。脚本には、ベタなシーンも書いた。なんてったって「愛している」なんてセリフが、計10ヶ所ほどある。なんてベタなセリフだ。こんなセリフを書いた脚本家は、どんだけイケメンなんだろう。
 で、とにかくそんなベタに対して、戦わなければいけない。愛しているなんてセリフを、そのままで言わせてたまるか、という心地だ。
 それに対する武器と考えているのが「ジエン社っぽい」という演出の雰囲気だ。
 初回、二回目で培ったノウハウで、ベタを倒す事が出来るのだろうか。ベタに対して異議申し立てが出来るのだろうか。「愛してる」なんてなセリフが、どうでも良くなれるだろうか。

 そんなアレもアレで、とりあえず大道具の製作や各種スタッフの打ち合わせも始まった。ジエン社はこれまで、ほとんどテクニカルなきっかけがないという感じだったが、今回は若干、テクニカルな事項が増えている。
 20090202205912.jpg 写真は思考する音響のりょうだい君である。僕もいろいろ、策を練らなければ。そんなりょうだい君は「明日から泊り込みで別現場の稽古場で作業です」との事。泊り込みの稽古場、という言葉に、軽くときめくが、スタッフとして作業に行くりょうだい君の呆然とした顔を見るに、そうか、泊り込みとは英語で地獄という意味も含まれるんだなあと思った。
 でもいいよなあ、泊り込みで稽古とか。そんな稽古場、俺もやってみたいなあ。稽古場に住めば、交通費もいらないし、家賃とか電気代とか、住み込みメイドとかはいらないんだろうなあ。
 てか、それ以前に、もっと広い稽古場がほしいなあ。
 バミリが、原寸大じゃないんだよ。俺にもっと、いい稽古場を用意できる権力や財力があれば……。
 あとヒゲを剃りたいなあ。シェービングクリームが無くなった。あと甘い食べ物食べたい。てか、食べ物自体食べてないなあ。
 ああー。
 権力が欲しいなあ。
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2009年01月29日

バミから過去からはみ出せ若者ならば/本介さん

 稽古場の様子を伝えるのも主宰の仕事なのだろう。そんなわけで、紹介しますよ、様子やらなにやら。

20090126183727.jpg


 稽古場には、いわいる「バミ」と呼ばれる、まあなんかビニールテープで実際の舞台装置を想定した印みたいなものを張っている。本当なら、仮にでもセットを組んで訓練したいのだけれど、なかなかそうも行かないのでこんな感じだ。バミを張るのが得意なのは「小器用」「小器用貧乏」「でも実家は医者でお金持ち」「で、そのスネをかじってリアルにニートしている」伊藤淳二君です。お前本当将来大丈夫か? というほど、バミを張るのがうまいのな。

 で、写真のようにナスカの地上絵っぽい感じでみんな稽古するんだけど、実はいろいろ難点がある。

 バミがわからん役者がいる。
 正確に言えば、「バミという概念を受け付けない」役者な。
 カネマスの事だ。

 カネマスは、この公演の座組みで、確かに最年少組の一人ではあるのだけれど、それなりに小劇場公演に数回出演しているし、自分で演出もした経験があるらしいじゃないか。であるのに、何だってお前は、壁を素通りしたり、ワンダーなドアのあけ方をしたり、壁の間に挟まってみたりするのかしら。

 と、書いたものの、や、実はカネマスは正しい。
 だって壁なんて「無い」んだもん。床にビニールテープが張ってあるだけだもの。
 それに気をつけて演出しないと、たとえば「壁」に対しての感覚が足りないまま動いてしまったりして。だってみんな、壁に背を向けることはあっても、がっつり向かい合う事は無いでしょうに、とかね。

 「地図の読めない女」状態に陥っているカネマスを見るたび、「俺にもう少し金や権力や広い稽古場とセット仮組みできる実力があればなあ」と、詠嘆してしまうのだよ。稽古場の仮セットで稽古したことを、本番のセットで再現できる能力って、演技の実力とは別物じゃないかって事を、別役実がいっていた気がする。俺もそう思う。

 とはいえ、貧乏なら工夫と想像力でおなかを膨らませるしかない。ここは壁! ここはドア! 俺はイケメン! そうやって訓練していくしかないさ。オレはイケメン! 虚空に向かって叫ぶんだ!
 オレはイケメン!
20090106213226.jpg
 という訳で写真はイケメンコンビ、主宰とその演出助手のナカダテです。
 今日ナカダテは、キスシーンの演出で、僕を差し置いて演出しようとしていたので、冷ややかな目で見てやりました。よっぽどこだわりがあるに違いねえな。「キスの角度はこう!」とかさ。ふうー。
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2009年01月21日

一年という年月と生意気さへの道/本介さん

 稽古は始まっている。
 気がつけばジエン社は一年を過ぎて、やっとこさの三回目。ペースは遅めだ。まあ、「劇団」というわけではなく、普段から顔を引っ付き合わせているわけではないので一年たったなあという気は、あんまりしない。

 しかし、自分自身がまだ25歳であって、20代の一年というのは、これまたかなり激動の一年でもあるので、自然とジエン社の一年というのも、結構変わったなあという印象があったりする。

 で、出演者の全員が20代(前半)というのもあって、一年で印象が変わったりすることもあったり。
 たとえば、初回、二回と出て今回三回目も出てくれている清水(穂奈美)なんかは、この一年でヨゴレになった。なんかねー、ヨゴレな感じがするんだよなあ。別に彼女がこの間出ていた「ろりえ」という不謹慎な劇団で、いろいろと不謹慎な事をしてたからって訳じゃない。なんかしらんが、たった一年でフレッシュさがなくなってたんだよなあ。なんか、しなびている。何があったんだ一年。
 あと、同じく三回連続出演の善積(元)は、生意気になった。なんかいろいろが生意気だ。ただ、物腰は相変わらず下手に出ているが、発言や思想が相当生意気だ。俺でも言わんような辛口コメントをちょいちょい言う。おまけに元来知恵者でもあり、もっともな意見でもあるのでタチが悪い。
 あと、横山(翔一)も気になるぞ。いよいよ自分の劇団(お前と悪戯酒)が始動したらしく、いろいろ裏で暗躍している。なんか、主宰としての風格というか、主宰な役者って扱いにくいオーラを出すじゃないですか。少しづつね、「お前と悪戯酒の横山ですがなにか?」というオーラがこの一年でどうもね。

 たった一年で、純真だった年下たちが、生意気だ。慣れもあるんだろうけど。もっというと、一年でここまで人は変われる、というか、成長できる。生意気になりやがったが、
 これが10年経ったらどうなるんだろう。清水は肥溜めになったり、善積はやくみつるになったり、横山はオーラの泉を司会していたりするんだろうか。
 若い人材の、もっとも変わる時期に、この企画がある。怖いやら面白いやら楽しいやらだ。毎日、確実に、何かの変化がある。こんな稽古場が面白くてたまらない。

 今回使ってる役者の最年少組が兼桝(綾)とシオミダイキだ。彼らの純真っぷりに思わず笑っちまいそうになりながら、一年後はヨゴレたり、やくみつるになったりするかーと思うと、いろんな意味で楽しみだ。いや楽しみだ。

 というわけで、ヨゴレきった20代中番組は、いろんな意味でがんばろうな。とりあえず伊藤淳二はバイトをしような。社長は疲れた。
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2009年01月08日

初稽古が得意な主宰なんていない/本介さん

 稽古が始まった。ジエン社三作目『ゴーストニートペアレント』の稽古が始まったのである。そして稽古始まりは、怖いし緊張するものだ。だってなあ、脚本や組んだ座組みがつまらないか面白いかが、明らかになるじゃないか。
 怖い怖い。
 緊張と恐れの中で、しかし、稽古場に居られる幸せもかみ締めながら、つくづく、初稽古って大変だなあとぼんやり思ってしまう。
 今回ジエン社の制作は初の半田ちゃんに「毎回違うメンバーできちんとやるのは大変ですねえ」といわれたりする。そうか、普通は毎回ほとんど同じメンバーでやるのか、とはっとする。まあ、そうは言っても半分は前回や前々回のメンバーなので、そんなに新鮮な気もしないが。
 それでも初参加の人に、どう馴染んでもらうか、どういう言葉で作り上げていくか、どうすればその人にとってプラスになるか(もちろん、前回参加者にもだけれど)を考えると、身が引き締まる思いだ。考えて、考えて、少しづつやっていこう。

 てか、それ以上に初参加の人はもっと緊張するだろうに。初参加組みのシオミ君(今回最年少)が帰り道、「読み合わせが緊張で震えました」とか言ってた。オーバーな! と思いつつ、でもそういうもんだな、とも思ったり。なんとかして、のびのびと、何でも失敗できる空間を作って生きたい。何の遠慮もせず失敗をできる、幸福な実験空間ができればいいなあ。ただ、緊張感はなくしたくないなあ。どういうさじ加減で行けばいいんかなあ。考えなきゃなあ。考えなきゃ。

 そんなわけで、ゴーストニートペアレントはゆっくりと始動してます。どうぞ二月をお楽しみに。
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2008年06月23日

第二回公演営業の終了/本介さん

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 へい。ジエン社第二回公演『大怪獣サヨナラ』は、なんとか全日程を終了し、集まった役者・スタッフ・もののけ達は今日からはただの他人です。
 かかわってくださった皆様、ご来場してくださいました皆様、まことにありがとうござる。

 この公演は苦しいほうでした。でも、苦しさがこの程度なら、まだまだぜんぜん苦しくないぞ、とも、思うしだい。

 びっくりしたのは、とにかくお客さんが沢山いらっしゃったこと。500人近いお客様が見に来たなんて、どうかしている、いや、事前の目算だと、そんなに来ないだろうまだ二回目なんだし、とも思ったりなんだりしていたが、まあ冷静に考えれれば14人も役者で参加しているのだから、そんなに驚くべきことでもないのか。

 でもいままで、「気がつけば、友達が少ない役者ばかり参加している」という状況で演劇をしていたので、なんか、まあ、とにかく戸惑った。
 うれしい、うれしいが、怖い、とも思った。
 どこかで、僕は僕の表現を、誰も見ていないのではないかという恐れが、いままであった。お客さんといっても、旧知の仲ばかり、というような、そんななかで今までお芝居をしていたような気がしていたのだ。
 だけど、いろいろな人と芝居し、その人の知り合いやら、純粋にジエン社を見たいと思ってくださったお客さん、評判を聞きつけてチェックしてくださった皆さんが、あらためて、見に来ているのだなあと、見られているのだなあと、満員の、お客さんの顔が、舞台上にぎゅっと向けられている。
 その瞬間、ひどく恐ろしい心地がしたのですよ。

 動員500程度で、何をビビッているのだこの小男は、とお思いでしょうが、僕は小男なので、それは仕方がないと思っていただきたい。なにせ、お客さんのことを今まで意識してこなかった、ちょっとどうかという主宰だ。視野の狭い男だ。視野の狭い男の見る世界が、あの舞台だった。どこかで、わかる人にだけ、そっとわかってほしいとか、まあ、ぬるいところがあったのかもしれない。今回きていただいたお客さんの「ただ見る」という行為によって、僕はまた鍛えられたような気がします。

 そんなわけで、ジエン社はまたしても休業期間に入ります。次回は来年二月です。
 また、時が充ちるまで、すべての人々に、ありがとう、一時的に、サヨナラ。
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2008年06月22日

社長はかくして激ヤセに成功した/本介さん

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 二日目と三日目も終了しました。びっくりするほど多数のお客様に来ていただき、ありがたいと同時に、超戸惑いです。いままでこんなにお客さんがきた事がなかったので、あわてている主宰ですよ。僕の中での目標人数に既に到達しておりまして、おかげさまで僕が借金してスタッフにギャランティを払わなくて、済みそうです!

 と、生々しい話から入ってしまい申し訳ない。
 お芝居も、三日目の昼にしてようやく「これでどうだっ」と社長が思える出来のものが仕上がりました。これで、いろんな人をグーで殴りたい、そんな感じですよ。

 本番中、社長は客席の上にある上階で観劇しているのですが、見れば見るほどこの芝居、よくわかんないなあと思います。登場人物全員が変なんだもの。自分で書いておいて、まったくよくわからない。

 今日見に来てくれた客で「自己愛が過剰すぎる」と指摘されたけれど、これ、実は少しうれしかった。書く以上は、自分を切り売りして作品に投げ打ちたい気持ちがあるのだ。それが舞台になって、なおかつ「愛」を感じるのだから、もうね、いいじゃないか、愛だよ、愛。愛は、勝つんだろ? つまり僕は、僕に勝つんだよ!
 ……屁理屈か。ただまあ何ていいますか、表現を、簡単に消費されてたまるか、俺を簡単に受け入れられてたまるか、というツッパリ心は常に持ちたいんですよ。それが痛々しいものであっても、その痛々しさが、現代と抗う戦いに必要なものなのではないんだろうか。

 酔っ払っているのでよくわからないことを言ってますが、まあなんか、ともあれ、残りは一日です。
 戦いたいです。ちからの限り。ぜひ、見届けにきてください。
 既に予約は満席ですが、ヒドイ席でよければなんとかねじりこめますのでぜひ! では!
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2008年06月20日

初日は終わったのだった/本介さん

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 かくて、初日は終わったのだった。
 関係者の皆様、ありがとうござる。

 今日はあまりに一日が進むのが早かった。舞台監督のヤエガシの遅刻にハラハラ兼プンプンし、素早く終わるテクニカルリハーサルにドギマギし、ゲネ(本番さながらのリハーサル)の出来の悪さに心の底から心配し、でいろいろあって魚民で酒を飲んで今布団の中だ。
 人生早回しですわ。

 おかげさまで、気持ちのいい拍手を賜りました。カーテンコール後の暗転で、あまりの緊張から開放されて足腰がたたなくなり、すっころびそうだったよ。

 ただ、まだまだ、改善点はたくさんある。今日は昨日より面白く、明日はあさってよりも、だ。

 それにしても今回使用している明石スタジオは非常に使い勝手がよくてうれしい。見よ、この広い楽屋を!DSCN0996.JPG
 総勢14人の役者が荷物をとっちらかしてこの余裕だ。ほぼ全員に鏡つきの机いすに、給湯室、着替えルーム、神棚まで完備。これでタタリや疫病からも身を守れるってな寸法よ。こんないい楽屋、はいったことないよ。いままで床に這いつくばって何ぼ、舞台裏のセットで体育座りしてナンボの世界で生きてきたからなあ(といっても、公演中は調光ルーム脇で見てるのだけど)。 
 おまけに小屋つきさん(劇場管理人)の方の対応も朗らかでうれしい。今日は仕込みのときのクーラー代をまけてくださった。これまたうれしい。人情を感じます。
 劇場としても、小劇場としては都内有数の高さをほこり、余裕の広さの調光室に、充実の照明器具(DF40台!)、ロビーが格好良いと、いろいろだ!
 劇場の脚立が鉄製で重くて死にそうだ、以外はまっことすばらしい劇場ですよ。劇場探しをしている劇団主宰の方も、劇場下見のついでに見に来ればいいですよ。ぜひ。

 まるで明石スタジオのまわしもののような記事を書いてしまったけれど、使い心地がいいのだからしょうがない。
 そんなこんなで、最終日夜がいよいよ満席になってまいりました。その他のお席も少なくなってまいりましたので、ご予約はお早めに。
 ではまた。
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2008年06月18日

さあ、たたかいだよ/本介さん

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 さて、そんなわけで、稽古は全日程を終了。ジエン社はいよいよ明日(日付的には今日)から小屋入り(劇場入り)です。みな、デイリーヤマザキから出撃です。

 つうわけで、他人紹介、自己紹介がすんでない役者の記事を、小屋入り直前で主宰が書くぞコーナーです、眠いがやるよ。やってやるとも。ニャー!

 トップバッターは前回からも引き続き出演のもじゃもじゃから。もじゃ公です。
DSC04082.JPG
 この写真は何かっつうと、宣材らしいですよ。
 ジエン社の他にはろりえなどに出演。ろりえではレイプ魔役としてベロチュウしたり女の子をぶん殴ったりしてる役が多い彼だが、今回の芝居では意味深な長ゼリのパートを与えてみた。
「こういうの初めてですわー」
 といいながら、これがまた、苦戦しておったよ。稽古最終日の今日、彼のパートをやってみたんだけれど、「まだまだだねぇ」とダメを言ってみたら、ものすごく悔しい顔をして、食らいついてきた。ラストのランスルーではさらに一皮向けた感じに仕上がって、頼もしい限り。
 若いし根性もあるし、それに文化への造詣もある。技術はまだまだだけれど、ありあまる雰囲気とエネルギーの強さがウリのヤングチーム筆頭の役者であるよ。
 また、前回から引き続きアップゲームコーナーの「ヨコヤマコーナー」も担当させている。が、今回は年上が多いのか、どうも遠慮がちだぞヨコヤマ! もっと食いつけ、歯向かえ、仕切れヨコヤマ! あと遅刻するなヨコヤマ。
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 お次は初参加、といってもなんだかんだで本介さんとは旧知の中。渡辺いつか。アイサツやスロウライダーなどに出演していた役者です。
 実はジエン社の前身の団体、自作自演団ハッキネンの本公演に出演経験あり。『ヒューマン50年・おだ信長』という野外劇で、森蘭丸役をやった。どんな役かというと、「信長にセクハラされているんじゃないかという被害妄想に駆られながら出陣する小姓」という役どころ。ようするにきちがい役をやってもらったのだけれど。
 で、今回もけっこうトンだ役をやってもらってます。そして普段の彼女もそうとうぶっ飛んでますわな。毎回稽古場は爆笑ですよ。
 しかし彼女のすごいところは、そのバランス能力ですよ。俺、こんなトンだ、脳のネジの一本欠落した人間が、健やかにバイトをしながら社会生活を送っているところに感動を覚えますね。それはきっと彼女の健全なバランス能力の賜物だと思います。役者としても、もう、才能の一言です。そしてもう二言つけくわえるなら、努力家でもあります。彼女がセリフを噛むとこ見たことないもの。腐るほど練習してるんだろうなあ。や、まあ、よくセリフを抜かしたり、飛ばしたりすることはあるんだけれど。おもしろいやつですよ。

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 さて、お次は二人。左から、カナデコトビート主宰の相馬加奈子。右はかつて騒動舎で気炎を吐いていた奥野亮子だ。
 まず左のひょっこりした方から。
 相馬はねえ、なんか貧乏くじを引きそうな顔をしているなあと、会うたびに思うんですよ。昭和のにおいがする。「ギャフン」とか「ホゲェー」とか、そういう擬音が似合う感じがする。なんというか、ドジっ子というんですか。そんな感じがしまさあな。
 が、稽古だと、丁寧かつ、細かなところを器用に対応してくれるなあという、繊細な印象を受ける。そういえばカナデコトビートの公演も、彼女のリリカルな部分が垣間見えて、そう、「かわいい」という感じ。かわいい、が言いすぎなら「ダメかわいい」という感じですな。
 まあ、いいんじゃないか、「ダメカワ」。いいと思うよ。さり気に歳がオールド組に分類されることはそっとしておこうじゃないか。
 で、右のシャキーンとしたほう。
 かっこいいね、気風のいい感じの女子。性格もカラっとしていて、梅雨の湿気取りに活躍が期待できそう。
 作中、グラビア写真の撮影みたいになるシーンがあるのだけれど、あっけらかんと無駄にグラビアンなポーズを披露する。なんか、「小枝にふれている」とか、「壁にもたれてカメラ目線」とか、そういうの得意なのな。
 本編でも、やたらインパクトのある登場をする予定。その衣装と小道具にも大注目だ。
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 さて、その次は「ちんこ」こと伊神だ。前回から引き続き出演。ちんこのイメージを少しでも払拭するために、写真はサワヤカにしてみたがどうだろう。

 で、前も誰かの記事にあったとおり、このちんこはとうとう客演先であるウチでも脱いで、晴れてちんこと呼ばれるようになった。いや、もともと彼の所属している国道58号戦線では、よく全裸になってそのまま稽古しているとは聞いていたのだ。
 前回では遠慮して(つまり、空気の読める奴なのだ)ちんこはパンツでとまっていたのだけれど、今回はとうとうちんこになったね。たしかに突然の雨でパンツまでぐしゃぐしゃになったのは災難だったが、なにも全裸にならなくてもいいじゃないか。
 もちろん、演技面ではちんこなんかではなく伊神だ。抜群の安定感、そして脚本を読み込み、さまざまに出力してくれる。ちんこである一方、まじめなのだ。まじめなちんこなのだ。普段は一匹狼を装うことも多いが、困ってる役者がいるとそれとなく助けたりする、やさしいちんこでもある。いいちんこでもあるのだよ。ちんこは。
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 さて、ラストは「もっさん」こと、山本美緒。早稲田大学演劇倶楽部にて、ときたま作演出をしていたりする。この間は善積を役者として起用して舞台をやっていて、非常にスタイリッシュな舞台をくりひろげていたりする。
 スタイリッシュといえば、もっさんの私服もスタイリッシュなのだよ。すごいかっこいいの。いい写真がないのが残念だけど、時々稽古着までかっこうよかったりする。
 で、スマートなナリから、もっとクールな人かなと思ってたら、これがまた、悩み、のた打ち回り、頭を爆発させ、キーッていう人だったので、なんかよくわからないが、逆に安心した。
 今日も「要するにツンデレってことなんだよなあ」と演出をつけたら(この演出もどうかと思うが)、稽古場の外で誰かを捕まえながら「つ、ツンデレってできる? ちょっとやって!」と悲鳴に近いテンパリ声が聞こえてきて、そこはかとなく萌えていたのだった。
 で、今回の役柄は、本人曰く「自分からかなり遠い役」だったとのこと。稽古序盤はなかなか苦しんでいたけれど、終盤力技で自分の物に仕上げてきて、かなりすごかったのだったよ。もうね、彼女の出てくるシーン、刺さる人には刺さると思いますよ。えらいことやります。見たら、死にたくなるんじゃないんでしょうか。

 さて、そんなところで、全員の紹介はできただろうか?
 俺はもう、寝ていいだろうか? 劇場の関係で(ていうかゼニの関係で)、仕込みは一日しかないのだ。明日は、修羅場だぞう。舞台は立つのか? 頼むぜスタッフ、役者、応援の皆さん。
 俺は、眠い顔してウロウロしていよう。それが主宰ってもんだ。
 どうぞみなさま、ぜひよろしくお願いします。
 社長は疲れ目だ! ではまた。
posted by ジエン社ブログ at 03:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 社長・本介さんが疲れた。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

稽古場各所で頭爆発/本介さん

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 さて、中盤戦だ。中盤だ。脚本はいくつかの修正点を残しつつも既に完本。更新を四回し、多分次のオフで最終決定稿となるでしょう。スタッフとの一回目の打ち合わせも終わり、あとは通し稽古を見ていろいろ確認する、というところまで行き着く。
 ジエン社の芝居の特徴として、「照明や音響の変化が極端に少ない」という点があって、なんかね、照明さんや音響さんに、あまりのキッカケ(照明や音響の点灯のタイミングの事)の少なさに、若干悲しまれた。やあ、脚本の最初の四枚くらいのところで二、三ヶ所あって、その後50ページくらいキッカケがないのな。はは、スタッフ脚本の白いこと白いこと。
 ま、順調っちゃあ順調と言える。
 主宰サイドとしては。

 それにひきかえ役者の頭は次々と爆発している。
DSC03520.jpg 見ろ! この頭!
DSC03481.jpg 見ろ! この頭!
DSC03430.jpg み、見ろ!

 なんだかみなさん、可愛そうな頭だ。あまりに稽古しすぎて、男優はみんな頭がもじゃもじゃ、もしくは丸刈りだよ。
 うん、ジエン社男子は前回もそうだったけど、モジャ毛率がやたら高いののな。

 そうじゃなくてさ。
 みんな頭が、いっぱいいっぱいなのさ。稽古のあれで。

 今回の演出方針として、「役者に得意技をさせない」というあれがある。なんか、得意技って俳優の「個」を消すような気がしていてだ。序盤の僧侶って要するにホイミ要員だろ? みたいな扱いを役者に強いるのが、なんか腹立たしいなあと思っていたのだった。
 というわけで、僧侶にも戦闘に参加してもらう。場合によっては、バギも使ってもらう、とそんな感じだ。そんなわけだから、レベル上げがなかなかうまくいかない。不得意分野をやらせているのだから、当然のことですよ。

DSC03456.jpg演出家席から眺めていると、特に苦労しているなあという役者は、もっさんこと、山本美緒。今回ジエン社初参戦(ま、まだジエン社自体二回目なんだけれど)。
 で、苦戦中。なんか、自分の性格とかなり離れている役らしい。しかも、劇中彼女は、暴れなければならなかったりする。
 案の定、小さな箇所で何回も稽古を止める本介さん。もっさんは「きいい!」とか「きいいいいい!」とか「きいい? きいいいいい!」とか、なんかそんな感じで頭を崩壊させておる。

 DSC03487.jpgそれからヨシズミ(写真左)の苦労っぷりもしのばれる。休憩中のつかれきった顔を見よ。
 彼には、「小芝居(コシバイ)」をせよと命じておる。彼はもともとボソボソ、ヒョロヒョロ、ヒョイホイ系が生きる役者だという事は百も承知の上だけれど、あえてコシバイの道を歩ませてみたのだった。コシバイって何ですって? 辞書を引きたまえ。どうせのってないだろうが、とにかくこう、ベタ系のショートコントみたいな身体使いの事ですよ。
 もともと社長は劇団森という、コシバイが出来なければ人ではない、という平家のような環境(今はそうでもない劇団になったみたいですけど)で育ってきたので、ここいらでひとつ、思い知れ! というアレでやらせてみた。これがまた、出来ない出来ない。
 前回公演出演時にはほとんどダメ出ししなかったけれど、今回はもう、いろいろダメを出している。修行だ。修行なのだ。

 他にもね、苦労人はたくさんだ。ふくちゃんこと福田君はハジケるシーンがかなり血を吐きながらやる。そんなふくちゃんに「カレーラーイス!」というセリフを追加し、それで騒げ、と指示する。
 死にそうだったね。
 小野はなかなかエンタメ臭が抜けぬ。油断するとセンターでツラを切る。「毒気を抜け!」とデトックスを指示。肌がツルツルになるまで生きて帰るな! みたいな雰囲気。
 シミズやジュンジにも、「器用さ捨てろ!」と何べんも言う。特にシミズには今日、「内面からセリフを言ってくれ」という、こんな時代にちょっとどうかというような指示をした。
 やあ、「内面からセリフを言え」という演出家って、ちょっとどうかと思いますよ。なんか、それを言ったらおしまいですよ、演出家って。これを言った後、さすがに自己嫌悪に陥った。言われたシミズももちろん発狂ですよ。「キー」とか言ってた。写真がないけど、今日の稽古着が病気の患者さんみたいだった。シミズが着るとなんでもおしゃれに見える。「そのオシャレさも捨てろ!」とか、坊主憎けりゃ袈裟まで理論でなんか思ったりした。

 修行だ。
 僕の修行にもなる。不得意な事、出来ないことを、なんとか工夫させて、やらせるという修行。
 何が出来ない原因なのか、何がこの人の障害なのか、どうすればそれが出来るようになるのか、稽古場で頭はフル回転である。俺も近々爆発するよ。
 思えば、前回公演は楽をしすぎた。みんな得意分野を勝手にやらせて、それに僕の好みを配置していただけな気がする。もちろん、それだって立派な仕事なのだろうけど。いってみれば前回の仕事は刺身を作っている感じ。今回はちゃんと海鮮料理を作っている感じだ。
 本当、いい修行になりますよ。
 いい修行になるけど、いいかげん、脚本待たないで立ってくれないかなー、とか、思ったりする、お年頃。

 ああ、長文かいてしまった。しばらくこのブログを更新してなかったから、気合が入りすぎた。またちょくちょく更新しますので、どうぞよろしく。社長は疲れた。
 
posted by ジエン社ブログ at 02:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 社長・本介さんが疲れた。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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