The end of company ジエン社 第9回本公演
『ステロタイプテスト/パス』
脚本・演出 作者本介
2014年 1/10日(金)〜14日(火)
日暮里d-倉庫【公演日】
1月10日(金)19:45★
1月11日(土)14:30 /19:45
1月12日(日)13:00☆/18:00
1月13日(月)19:45
1月14日(火)13:00/18:00
☆★印の回の本編終了後「劇後解説」実施。
文庫本の巻末にあるような解説を、本編終了後の舞台で主宰の作者本介と数名の俳優、
そしてゲストの方にご登壇頂き、やります。
アフタートークは苦手なのですが、
「アフタートークが苦手である、という事を口にする事が大事かもしれない」と思ったのです。
ゲストは1月10日(金)の夜の回★に、歌人・枡野浩一さん
1月12日(日)昼の回☆に、批評家・佐々木敦さんをお迎えする予定です。
【チケット】
11月30日土曜日AM10:00より販売開始
ご予約はこちら
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ご予約 3000円
当日 3500円
高校生割引 1000円(要学生証)
ツイッター割引 2800円
※ツイッターのアカウントを取得されて、常に呟いている方(あるいはブログやサイトをお持ちで劇の感想を書かれている方)には「ツイッター割引」を実施いたしています。当日受付にて2800円でご案内いたします。観劇後に感想を書いていただければ幸いです。
ツイッター割引をご利用の場合は、予約フォームの備考欄にツイッターアカウント(ブログ・サイトのURL)をお伝えください。
手書き文字割引 2700円
※劇団チラシを実際に手に取った方にだけある、さらなる割引のビッグチャンス。
ツイッター割引の該当者で、チラシの付録である「手書きで文字を書いてみよう」につきあってくださったお客様にはさらに割引します。
下段の練習ペーパーを切り取り文字を書き、どこぞかに張り付けた画像をツイッター等にアップしてください。
備考欄に「手書き文字割」と書き、該当するツイットURLをご予約メールに添えていただければ2700円でご案内いたします。
チラシは約1万部程度印刷する予定ですが、どこぞかで手に入れていただけると大変うれしいです。
どこらへんに織り込んだなどは、主宰のツイッターの動向などをチェックしてください。
●終演後、お茶会サービス実施
会場となるd-倉庫にはロビーがあるのですが、劇終了後ロビーにて、主宰や出演者が希望者に「異様に美味いお茶」をお出しします。
希望される方は、本作の感想を一言頂戴いただき、お話し頂ければお注ぎいたします。お茶当番は日によって異なるかもしれませんがご了承ください(14日夜公演後のみ実施しません)。
なるべくお一人様でこられたお客様で、なおかつジエン社を今まで一度も見た事無い方を優先してお茶を出しに行きます。
また、お茶を出されてしまった以上、他にお茶をもらったっぽいお客様へ、社交辞令程度の感想を言い合ってくださると、茶会だなあという感じになります。ぜひともロビーで、まったく面識のない方に話しかけて頂けると幸いです。
ジエン社の公演に一人で来ても、誰かに感想を口にする事が出来る、という、ぼんやりとしたサービスです。
「知らない人に一言だけでも話しかけらる場所」として、ジエン社の公演をご利用してほしいです。
【出演】
安藤理樹(PLAT-formance)
伊神忠聡
岡野康弘(Mrs.fictions)
小見美幸
川田智美
清水穂奈美
鈴木遼
矢野昌幸
山本美緒
湯舟すぴか
横山翔一
善積元
【スタッフ】
音楽:あらいふとし(one cake size feathers)
舞台美術:泉真
舞台監督:鈴木拓
照明:南 星(Quintet☆MYNYT)
音響:田中亮大
演出助手:吉田麻美/岡本セキユ(劇団森)
宣伝美術:サノアヤコ
書道協力:佳花
制作:池田智哉(feblabo)
【ジエン社参加メンバーのツイッタ―リスト】
https://twitter.com/y_asami/lists/jiensha09【お問い合わせ】
ジエン社
jiensya@hotmail.co.jp【あらすじ】
指で、他人の背中を、なぞっている。
ぐっと力を入れつつ、慎重に、間違えないように、しかも、鏡文字を書くようにだ。
こうでもしないと、僕は目の前で背中を向いて呆然と座っている老人に、何らかの意思を伝える事が出来ない。
天才芸人孔子先生の虜囚は続いている。孔子先生はあの日以来全身が麻痺してしまい、目を覚ます事は無いように当初は思われたが、悪魔医師は「触覚だけならなんとか分かる」ので「身体をゆすったり、揉んだりしなさい」といい残した。しかたなく、僕らは交代で孔子先生の身体をゆすっている。孔子先生を蝕んでいる麻痺が、身体を覆ってしまわないように。麻痺に覆われたら、人の身体は死ぬし、彼の脳内にある様々な情報も死ぬ。彼の脳内にある情報とは、この町が仮の町になる以前の町の情報でもあるし、稲作についての効率のいい収穫法でもあるし、「イソップ」と呼ばれる擬人化した動物たちの寓話でもあった。
元芸人という経歴を持つこの孔子と言う男の口からこぼれ出た物語は、読み書きもろくに知らず、ただある為政者の思想書を丸暗記することしか教育を施されなかった僕らにとって、新鮮な驚きと面白さがあった。
特に、イソップ物語は面白い。
キツネは、すっぱいと言って、ぶどうを罵倒する。兎は亀と瞬発力を競っていたはずが、いつの間にか眠りに落ちる。アリは、歌うキリギリスを、冷徹に拒絶する。
「こうし せんせい おしえて ください わたしに せかいの ことごとくを」
僕は孔子先生の背中を、指で文字を書き、なぞる。孔子は何かいいだけに、麻痺に犯された口を開く。
「馬を羨んだロバがいてな……そいつは……」
こうして今日も僕らはイソップと呼ばれる擬人化動物物語群を孔子から引きだす事に成功した。
ステロタイプテスト/パス文字を正確に書くことができた時、
僕たちは動物たちが巻き起こす、不思議で面白くて、
そしてためになる物語を、
この政治運動に疲れきった小さな老人の背中から、
聞く事が、出来るのだ。